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設立メッセージ

この度私どもは、地域で子どもたちの健やかな成長を見守る体制の充実を目的に、かつて新生児医療に携わった経験のある医師が集い、赤ちゃん成育ネットワークを結成しました。 お産前後に何らかの異常があり、新生児集中治療室(NICU)で医療を受けた子どもたちの多くは、退院後もしばらくその医療機関でフォローアップを受けます。しかし、そのような子どもの中には里帰り分娩や救急搬送などの結果、両親の住む自宅から遠方のNICUで治療を受けたため、治療を受けた病院に通うことが困難な子どもたちもいます。また、ご両親の仕事の関係で転居し、フォローアップされていた病院に通えなくなる子もいます。
ところで、生れた時の状態や疾患がどのような状況であっても、子どもはその後の発育過程で風邪などの病気にかかったり、小さな怪我やときには事故に遭遇するかも知れません。そこで、それらの予防や子どもが健やかに成長するためには予防接種や乳児健康診査などを受けることも必要です。一方、生まれた時の体重が少ない赤ちゃんのなかには、小さく生れたことを気にしながら子育てをしている家族に出会うことは決して少なくありません。また、慢性的な疾患のお子様を抱える家族の苦悩は言うまでもありません。
このような家族や子どもたちに、医療や保健、福祉サービスを提供し、育児や教育などの悩みをわかちあい一緒に解決に向けて努力する、地域に根付いた開業小児科医の果たす役割は大変大きいと思います。
もちろん、お産のときに何の異常も認められなくとも、育児に不安や困難感を抱かれるお母さんやご家族も少なくないと思われます。そのような皆様にも支援が必要となります。
われわれ赤ちゃん成育ネットワークのメンバーは主に開業小児科医ですが、ほかに行政機関で働く方や、このネットワークの趣旨に賛同した小児の精神や神経が専門の小児科医もいます。またオブザーバーとして、現役のNICU施設や子どものフォローを専門とする医療機関や研究職の先生にも参加して頂いております。これらの力を結集し、基礎疾患を抱える子どもたちには疾患をすべて理解した上で受け入れ、能力を前向きに評価し、母子の絆を深めるように医学的、社会的、心理的なサポートをさせて頂くつもりです。さらに、産婦人科医や支援グループとも連携し、地域で子どもを支えるネットワークを充実させていきたいと考えております。皆様のご協力をよろしくお願いいたします。

更新日:2002年9月1日